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本記事は、ファッションビジネスメディア「Oui Speak Fashion® Japan」に寄稿したレポートをベースに、当社代表取締役社長の柏木 又浩、および執行役員の西村 幹太をはじめとした海外視察チームの視点を加え、ビーツ独自の考察としてお届けするものです。
今回は、NRF 2026で行われたパネルディスカッション「Think like a marketer, act like a creator(マーケターのように考え、クリエイターのように行動せよ)」をもとに、TikTok Shopに代表される発見型コマースと、これからのブランド接点について整理します。
TikTok Shopの特徴は、ユーザーが目的の商品を検索して購入する従来型のECとは異なり、エンターテインメントを楽しむ過程で偶然商品と出会い、そのまま購買につながる点にあります。
つまり、購買の入口は「探す」だけではなく、「見ているうちに出会う」ものへと広がっています。
この環境では、従来の広告的な見せ方だけではユーザーの関心を得にくくなります。重要になるのは、商品を一方的に訴求することではなく、コンテンツを通じてユーザーとの関係性を築き、コミュニティの中で自然にブランドへの関心を高めていくことです。
TikTokにおける成功事例として、Pacsun(パクサン)のジーンズが大きく拡散した事例が紹介されました。
きっかけは、フォロワー5,000人未満のクリエイターによる自然な投稿でした。特別に作り込まれた広告ではなく、日常の中で商品を着用した動画がアルゴリズムによって広がり、一晩で約1万1000本のジーンズが販売され、最終的には10万本以上の販売につながったとされています。
Tarte Cosmetics(タルト コスメティックス)の事例でも、クリエイターが目の下に黒いマーカーを描き、それをコンシーラーで消すという視覚的にわかりやすいビフォーアフター動画が話題となりました。その結果、TikTok Shopだけで約60万個のコンシーラーを販売したと紹介されています。
ここから見えてくるのは、TikTokではブランドが用意した完成度の高い広告だけでなく、ユーザーやクリエイターの自然な投稿、そして一目で伝わるコンテンツの強さが大きな影響力を持つということです。
生活者が「自分ごと」として受け取れるリアルな熱量が、購買行動を動かすきっかけになっています。
TikTokの影響は、TikTok Shop内の売上だけにとどまりません。
Tarte Cosmeticsの事例では、クリエイターによる視覚的にわかりやすい動画がトレンド化し、TikTok Shopでの販売だけでなく、SephoraやUltaの店舗、さらに公式ECサイトでの海外売上にも波及したことが紹介されています。
これは、TikTokが単なる販売チャネルではなく、ブランド全体への関心を高める接点として機能していることを示しています。
SNS上で生まれた熱量が、店舗、EC、他のSNS、検索行動へと広がっていく。
その意味で、TikTok Shopの事例は、ブランド接点をひとつのチャネルだけで捉えることの限界を示しているともいえます。
TikTok時代のマーケティングでは、コンテンツの魅力だけでなく、それを支える運用体制も重要になります。
今回のセッションでは、TikTokで成果を出すための視点として、インフルエンサー主導のコンテンツ戦略、大型販売イベント、バイラル需要への対応、収益性の見極め、そして新しい効果測定の必要性が語られました。
特に重要なのは、TikTok施策をTikTok内だけで完結させないことです。小売店舗、EC、他のSNSと連動させた総合キャンペーンとして設計することで、ブランド全体への効果が高まりやすくなります。
また、TikTokの価値を測るには、ラストクリックだけでは不十分です。SNS上の会話、検索数の変化、店頭での反応など、複数の指標を組み合わせて見る必要があります。
このセッションを通して浮かび上がったのは、TikTok Shopで成果を出すための4つの視点です。
ひとつは、試行錯誤を恐れないこと。
次に、クリエイターやパートナーとの連携を活用すること。
そして、スピードを重視すること。
さらに、予測不能なヒットに備え、柔軟な運用体制を持つことです。
パネルディスカッションのタイトルである「Think like a marketer, act like a creator」は、まさにこの考え方を表しています。
データを見て判断するマーケターの視点と、コミュニティを惹きつけるクリエイターの行動力。その両方を組織の中に取り込むことが、発見型コマースの時代には重要になっていくと考えられます。
TikTok Shopの事例から見えてくるのは、これからの購買接点が、広告や検索だけではなく、生活者が自然に見たくなるコンテンツの中にも広がっているということです。
店舗、ポップアップ、イベント、SNS、EC。
どの接点においても、ブランド側が一方的に情報を届けるだけでは、生活者の関心を得にくくなっています。
大切なのは、生活者が興味を持ち、自分ごと化し、誰かに共有したくなる体験をどう設計するかです。
そのためには、リアルな場とデジタル接点を切り離さず、キャンペーン全体としてブランド体験をつなげていく視点が求められます。
TikTok Shopの事例は、購買体験が「商品を探して買う」だけでなく、コンテンツの中で偶然出会い、共感し、共有されるものへ広がっていることを示しています。
ブランドが選ばれるためには、SNS上の話題づくり、店頭での体験、ECでの購買導線、イベントやポップアップでの接点を分断せず、一貫した体験として設計していくことが重要です。
株式会社ビーツは、リアルな場づくりとデジタル接点を組み合わせながら、ブランドと生活者の接点づくりを支援していきます。
SNSと連動したポップアップやイベントを実施したい、店頭体験とデジタル施策をつなげたい、生活者が思わず共有したくなるブランド接点を設計したいなど、次世代のプロモーションや店舗づくりにおける課題がございましたら、ぜひお気軽にご相談ください。
「NRF 2026」のダイジェストレポートを公開しています。全29ページにわたる主要セッションの詳解と注目企業12社のソリューション分析を、ぜひダウンロードしてお役立てください。
本連載のベースとなっているオリジナルレポートは、株式会社ビーツとワールド・モード・ホールディングス株式会社による共同編集企画です。
当社代表取締役社長の柏木 又浩、および執行役員・西村 幹太がニューヨーク現地で取材した詳細なレポートは、ファッションビジネスメディア「Oui Speak Fashion® Japan」にて順次公開されています。本考察と合わせて、両社の視点が詰まった本編レポートもぜひご覧ください。
オリジナル記事
第7回:TikTok Shop成功の鍵は「マーケターの思考」と「クリエイターの行動」にあり
本共同編集企画について詳しくは以下のページをご覧ください。
Oui Speak Fashion® Japan https://ouispeakfashion.com/jp/
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