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【NRF 2026考察 #09】ブランドらしさはどう伝わる?AI時代の顧客体験設計

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AINRF2026ブランド体験レポート

はじめに

本記事は、ファッションビジネスメディア「Oui Speak Fashion® Japan」に寄稿したレポートをベースに、当社代表取締役社長の柏木 又浩、および執行役員の西村 幹太をはじめとした海外視察チームの視点を加え、ビーツ独自の考察としてお届けするものです。

今回は、Ralph Lauren(ラルフローレン)とMicrosoft(マイクロソフト)の対談をもとに、AI時代に「ブランドらしさ」をどのように顧客体験へ落とし込んでいくべきかを考えていきます。

AI導入の前にある、ブランドDNAの理解

Ralph LaurenのAI活用を考える上でまず重要なのは、同社がテクノロジーを単なる新機能として捉えていない点です。

Ralph Laurenのブランド哲学として根底にあるのは、一過性のトレンドに流されないデザイン、顧客との誠実な関係、そして高品質な製品へのこだわりです。AIは便利な技術ですが、何を学習させ、どのような言葉で提案し、どのような体験として届けるのかが曖昧なままでは、ブランドらしさは伝わりません。

同社はインターネット黎明期において、単に商品を並べるECサイトではなく、旗艦店が持つ豊かな物語性やパーソナルな接客体験をオンライン上で再現することを目指しました。AIが顧客接点に入ってくる時代だからこそ、ブランドが何を大切にしているのか、どのような世界観を届けたいのかを明確にしておく必要があります。

「Ask Ralph」に学ぶ、文脈を理解したパーソナライズ提案

Ralph LaurenのAIショッピングアシスタント「Ask Ralph」は、Microsoft Azure AIなどを活用し、顧客との対話を通じてスタイリングを提案する仕組みです。

単に商品の在庫や価格を提示するのではなく、「特定のイベントに何を着ていくべきか」「自分らしく見える組み合わせは何か」といった、顧客の文脈を踏まえたインスピレーションを与える存在として位置づけられています。AI導入はIT部門だけの課題ではなく、マーケティングや顧客サービスなど事業全体に関わるビジネス変革です。

どのような情報を届け、どのタイミングで接点をつくり、スタッフの接客や空間演出とどう連動させるのか。そうした全体設計があって初めて、テクノロジーはブランド体験を支える力になります。

BEEATS VIEW:AI時代のリアル店舗におけるブランド体験設計

Ralph Laurenの事例から見えてくるのは、AI時代の顧客体験においても、中心にあるべきものはブランドの思想や世界観であるということです。

AIやデジタル技術は、体験を効率化し、パーソナライズし、スケールさせる力を持っています。一方で、ブランドらしさが曖昧なままテクノロジーを導入しても、顧客に届く体験は均質化しやすくなります。私たちは、AI時代のブランド体験設計において、次の3つの視点が重要になると考えます。

  • ブランドらしさを、空間と什器の細部に落とし込む

AIやデジタルツールを活用するほど、ブランドが何を大切にしているのかを明確にすることが重要になります。

世界観、接客のトーン、空間の印象、そして商品を陳列する什器の質感やレイアウト。それぞれがばらばらに設計されていると、顧客は違和感を覚えます。ブランドらしさを感覚的なものとして終わらせず、リアルな店舗内装や什器設計といった「目に見える体験」へと解像度高く落とし込むことが、デジタルとリアルを横断する顧客体験の確固たる土台となります。

  • テクノロジーを、体験の主役にしない

AIやデジタル演出は、注目を集めやすい要素です。しかし、テクノロジーを導入すること自体が目的になってしまうと、ブランド体験の本質から離れてしまうことがあります。

大切なのは、来店者が何を知りたいのか、どのような不安を解消したいのか、どんな気持ちで商品やブランドと向き合いたいのかを考えることです。

サイネージ、データ活用、AIによる提案、Webやアプリとの連動は、あくまでその体験を支えるための手段です。テクノロジーを前面に出すのではなく、ブランドらしい接点を自然に支えるものとして設計する視点が求められます。

  • リアルとデジタルで、同じ世界観を届ける

顧客は、ブランドと出会う場所を分けて考えていません。
SNSで見た印象、Webサイトで得た情報、店舗で感じる空気感、スタッフとの会話、サイネージで目にするメッセージ。それらがつながって初めて、ひとつのブランド体験として記憶されます。

AI時代には、顧客接点がさらに増え、体験はより細かく分散していきます。だからこそ、どの接点でも同じブランドらしさを感じられるように、リアルとデジタルを横断して設計することが大切です。

ブランド体験を共に創る

Ralph Laurenの事例から見えてくるのは、AI時代の顧客体験においても、テクノロジーの前にブランドの思想があるということです。

AIやデジタル技術は、ブランド体験をより広く、より細やかに届けるための有効な手段です。しかし、その土台にあるブランドらしさが曖昧なままでは、顧客に届く体験も曖昧になってしまいます。

ビーツは、今回の視察で得た最新のリテールトレンドを日本市場の文脈に合わせて形にし、新たなブランド体験の場づくりを支援していきます。

ブランドの世界観を店舗空間に落とし込みたい、リアルとデジタルを連動させた顧客体験を設計したい、サイネージやデジタル施策を活用してブランドらしさを伝えたいなど、次世代の店舗づくりにおける課題がございましたら、ぜひお気軽にご相談ください。

NRF2026レポート公開中「エージェント・コマースの幕開け」

「NRF 2026」のダイジェストレポートを公開しています。全29ページにわたる主要セッションの詳解と注目企業12社のソリューション分析を、ぜひダウンロードしてお役立てください。

海外レポート共同編集企画について

本連載のベースとなっているオリジナルレポートは、株式会社ビーツとワールド・モード・ホールディングス株式会社による共同編集企画です。

当社代表取締役社長の柏木 又浩、および執行役員・西村 幹太がニューヨーク現地で取材した詳細なレポートは、ファッションビジネスメディア「Oui Speak Fashion® Japan」にて順次公開されています。本考察と合わせて、両社の視点が詰まった本編レポートもぜひご覧ください。

オリジナル記事
第9回:ラルフローレンとマイクロソフトが語るAI革命 ー 伝統と革新が融合する未来のラグジュアリー体験

本共同編集企画について詳しくは以下のページをご覧ください。

Oui Speak Fashion® Japan https://ouispeakfashion.com/jp/

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