プライベートショー(自社展示会)のメリットと準備・開催のポイント
プライベートショーとは、企業が主催する自社展示会のひとつで、一般公開を行わずに特定のターゲット層やビジネスパートナーに対して開催されるイベントです。
通常、業界関係者や顧客・お得意先、重要なパートナー企業などが招待され、限られた参加者のみが参加できる形式を取ります。
今回の記事では、プライベートショーについてそのメリット、準備・開催のポイントについて紹介していきたいと思います
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展示会3つの分類
展示会の分類にはいろいろとありますが、ビジネスショー、パブリックショー、プライベートショーに分けることができます。
ビジネスショー
商談会や合同展示会とも呼ばれる展示会です。
ビジネスパーソンを対象としたB to B(Business to Business)の展示会で、大きな展示会場に数百、数千の企業が一堂に出展します。
来場者も数万人に上るのが特徴です。
展示会のテーマに合わせて、関心の高い多くのビジネスパーソンに製品やサービスを提案できるため、新規顧客の獲得のために行われます。
パブリックショー
B to C(Business to Consumer)が多く、広く一般消費者が来場します。
ビジネスショーの目的が商談であることに対して、パブリックショーでは商品の認知度拡大や、今後のファンづくりに注力することになります。
展示会の中には、開催初日をビジネスショー、後半をパブリックショーに設定し、両方の側面を持たせることもあります。
プライベートショー
さて今回のテーマであるプライベートショーですが、ビジネスショーやパブリックショーは複数の企業が出展するのに対して、単一の企業やグループのみで開催されます。
そこから主催展示会と呼ばれることもあります。
基本的には招待制で、既存顧客やステークホルダーとの関係強化が目的になります。
商品・サービスの提案も必要ですが、招待客へのご挨拶やリリース発表、エンターテインメントなど重要顧客をもてなす演出も重要な要素となります。
プライベートショーの来場者
ビジネスショーやパブリックショーに比べ、来場者が変化する傾向にあります。
お得意先の営業窓口はもちろん、その上司や上層部をお招きすることが通例です。
またテレビ、新聞などのメディア関係者、自治体、各種団体、さらには株主を招待することもあります。
プライベートショーの目的
プライベートショーを主催する企業にとっての主な目的は以下の通りです。
新製品やサービスの発表
新製品や最新技術の展示・発表を通じて参加者に商品・サービスを理解していただく。
企業取組の紹介
商品・サービスに加え、安全・安心などの品質保証やSDGsなど企業の取組みを紹介する。
ビジネス関係の構築強化
重要なパートナーや顧客との関係を深め、信頼関係を築く機会を提供する。
ブランドの強化
自社のブランド価値やイメージを高める場として活用する。
プライベートショーのメリット
目的自体はビジネスショーなど他の展示会と変わらない部分も多くありますが、プライベート展示会には以下のようなメリットがあります。
ターゲットの特定
特定のターゲット層に集中して情報を発信できるため、確度の高い、効果的なマーケティングが可能です。
顧客リストから決定権者を直接招待したり、普段商談ではお会いできないサステナブル、環境などのご担当を招待して、取り組みを紹介することもできます。
競争優位の獲得
自社で会期・会場を決定できるので、競合他社よりも早く、またはより効果的なタイミングで商品やサービスを展示・紹介することができます。
ここだけ情報の発信
クローズドの展示会なので、競合他社などは入って来れず、ある程度の機密性が保たれます。
そのため一歩突っ込んだ商品紹介や商談が行えるメリットがあります。
参加者の満足度の向上
一社のみの開催なのでスペースの制約に融通が利き自由な会場づくりが行えることから、参加者により特別な体験をお届けすることができます。
会場に入った後のご挨拶から、製品のプレゼンテーション、イベントなどおもてなしや商談にいたるまで来場者満足につながるストーリーを組むことができます。
満足度の高い展示会を通して、より深い関係づくりが期待できます。
プライベートショーのデメリット
プライベート展示会にはメリットとは表裏の関係でデメリットもあります。
新規獲得にはつながりにくい
プライベート展示会は所持しているリストからの招待が基本なので、一般の人々や新しい顧客へのアクセスは制限されます。
自社での集客が必要
ビジネスショーやパブリックショーでは全体を取り仕切る主催者がさまざまなメディアを使って告知・集客をしてくれます。
テーマを同じくして多くの出展社が集まるだけでも大きな集客が見込めます。
しかしプライベートショーは告知も集客もすべて自社でやらなくてはなりません。
費用とリソースの増加
プライベート展示会は、主催者と出展社を同じ社内で行うため、開催に多くの費用が掛かります。
会場費、セキュリティなどすべて自社持ち、すべてにおいて人員を配置するのでリソース、人件費の問題も発生します。
ビジネスショーに出展するか、プライベートショーにするかは目的と成果を考え、慎重に検討する必要があります。
準備と開催のポイント
プライベートショーの進め方については以下のステップが一般的です。
目標と目的の設定
イベントの目的や成果を明確にし、それに向けた準備を進めます。
ビジネスを目的にしたプライベートショーとして商談会とするのか、関係化を考え、ビジネス以外の企業の姿勢や取組の紹介まで行うのかなどです。
会場・会期の決定
開催する時期は、新商品の商談時期など商戦を前に行われることが多くなりますが、留意点もあります。
競合企業や同業界のビジネスショーとかぶると集客に差支えが出てしまいますから、事前の情報収集は重要です。
会場選びも、出展する商品の数や来場者数、商談スペース、待機スペース、資材置き場などを考慮しながら決定します。
会場側とは丁寧に接し、良好な関係を築いていくことも展示会運営の大切なポイントになります。
また集客力に優れた好アクセスの展示会場は日程が埋まっていることも多いので、早めに押さえておく、何年か先まで話を通しておく必要もあります。
社内承認と予算の決定
開催の目的や目標、スケジュールが決まったら社内の承認が必要です。
大きな予算と時間、人的リソースも投入するため、社内のコンセンサスは大変重要になります。
運営パートナーの決定
会場の決定から集客、設営まで、多岐に渡るプライベートショーの運営は自社だけでは不可能とも言えます。
運営には展示会を請け負う企業と組むことになりますが、その選定は特に重要です。
展示会専門の施工業者から、広告代理店、マーケティング会社、デザイン会社など、それぞれのメリット・デメリットを見ながら、コンペティションを行うのが通例です。
招待・入場システムの構築
目標や目的に合わせてターゲット、招待者を明確にし、招待状を送付します。
重要な招待者に向けては、招待状を持参することもあります。
近年では、招待~入場までを管理する招待システムを導入する企業が増えています。
出展内容の精査
プライベートショーでは、全体のテーマ設定や会場内レイアウトなど主催者としての企画と、各ブースで商品・サービスの展示・提案の企画、二つを動かしていく必要があります。
そのため準備期間はより余裕をもったスケジュール立てが必要です。
全体企画とブース企画は担当が分かれることになるので、当日会場で混乱がおきないように、その連携は大変重要です。
搬入・設営
開催前には展示会資材、展示商品の搬入を行い、会場づくりを行います。
多くの人とモノが行きかうので、搬入スケジュールや人の動きについて綿密な計画が必要です。
また搬入や施工では多くの危険も伴うため、安全確保のルール設定や注意喚起の徹底をする必要があります。
来場者管理
プライベートショーが始まると来場者の管理が大きな仕事になります。
お待たせしていないか、担当者のアテンドはできているか、招待状をお持ちでない方への対応はどうするのか、など多忙を極めることになります。
プレゼンテーション
商品ブースでは、新商品やサービスのプレゼンテーションを行い、来場者に情報を提供します。
その中で参加者との対話やデモンストレーションを行い、より深い理解をいただき商談につなげていきます。
また商品以外の企業取組の紹介などができるのもプライベートショーならではと言えるでしょう。
フィードバックの収集
参加者からのさまざまな意見をフィードバックとして収集し、商品やサービスや、展示会事態の改善に活かしていきます。
関係構築の深化
プライベートショーで得た関係を維持し、深めるためのアクションとして、展示会後のアポ、お礼の商談などがあります。
バーチャルプライベートショー
来場いただけなかった方のために、開催内容を撮影しパソコン上で商品やパネルが拡大して見れたり、商品ホームページに飛べたり、バーチャルでご覧いただく手法も近年増加しています。
プライベートショーなら撮影などの制約が少なく、比較的安くできるのでぜひ取り入れたい手法です。
まとめ
プライベートショーは、重要なステークホルダーと直接的に交流でき、新商品やサービスの発表が行える貴重な機会です。参加者にとっても特別な体験となり、企業にとってもブランド強化やビジネス関係の構築に寄与する重要なイベントと言えます。
反面、主催者がお膳立てをしてくれるビジネスショーやパブリックショー以上に、多くのコストと労力が必要になります。
その点でプライベートショーの推進では、ビジネスショーよりさらにパートナー選びが重要になってくると思われます。
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