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展示会ディレクターが解説!「刺さるブース」のデザインパターン集

展示会には、数えきれないほどのブースが並びます。
でも、足を止めてもらえるのは、その中のほんの一部だけ。では、どんなブースが「刺さる」のでしょうか?

今回は、数多くの展示会を手がけてきたビーツの空間デザイナー&ディレクターに、
来場者の動きに応じた、ブース設計の“型”について話を聞きました。
本記事では、実際の事例も交えながら、空間設計のパターンをわかりやすく紹介します。

これから展示会を企画・準備する方に向けて、現場で役立つヒントもまとめました。
ちょっとした工夫が、大きな違いにつながるかもしれません。ぜひ最後までご覧ください。

目次

ブース設計の出発点 ―「どこに出すか」で変わる戦略

展示会でブースをつくるとき、まず思い浮かぶのは、「どんなデザインにするか」や「キャッチコピーをどうするか」といった表現面かもしれません。もちろん、それも大事な要素です。

でも実は、その前に考えておきたい大切なポイントがあります。
それが、「そのブースが会場のどこにあるのか」という視点です。

ブースは主動線沿いにあるのか、奥まった場所なのか、角地なのか。
出展場所によって、来場者の動き方や立ち止まりやすさは驚くほど変わってきます。
たとえば主動線沿いなら、歩きながらでも目に留まるような設計が必要になりますし、
奥まった場所であれば、遠くからでも目に留まる演出や、じっくり見てもらうための構成が求められます。

ビーツでは、会場図面をもとに来場者の動きをシミュレーションしながら、視線の入り方や滞在ポイントを想定して設計を進めています。どこで人が立ち止まり、どんな情報が届きやすいか──その仮説をもとにブースを組み立てていきます。
大切なのは、ただ目立つブースをつくることではなく、どこで・どんな風に情報を届けるかを考えること
来場者の動きに寄り添いながら設計することで、伝えたいことがしっかり届く空間になります。

▼展示会ブースのキャッチコピーづくりについてはこちらの記事で解説しています!

出展目的別 展示会キャッチコピー作成のコツと手順

来場者の動きと“気持ち”に合わせた、エリア別ブース設計のヒント

ブースの場所が決まったら、次に考えたいのは「そのエリアで来場者がどんな気持ちで歩いているか」
同じ会場でも、位置によって人の動きや心理状態は意外と違うものです。
ここでは、代表的な4つのエリアを取り上げ、それぞれに合った設計の考え方を紹介します。

Area1

出入り口エリア:入場直後の一瞬に、どう印象に残すか

出入り口では、来場者はまだ情報を取りこむモードになりきっていません。
このタイミングで大事なのは、“全部は伝えない”=情報を絞ること。
目に入った瞬間に「ちょっと気になる」と思ってもらえるかがカギになります。

・短くて印象に残るワードやビジュアルを置く
・パンフレットやノベルティで「後で戻ってこよう」と思わせる動線づくり

Area2

中央エリア(主動線付近):通りすがりの視線をどう止めるか

会場の中心エリアや主動線沿いは、人通りは多いけれど立ち止まらずに通り過ぎる来場者も少なくありません。
このエリアでは、「ひと目で伝わること」が重要です。

・強いキャッチコピーや、特徴がすぐにわかる見せ方
・動きのある映像やグラフィックで目を引く工夫

Area3

中央エリア(主動線からやや外れた場所):ゆっくり歩く来場者にどんな情報を届けるか

主動線から少し外れたエリアでは、来場者の動きがゆるやかになり、周囲を見渡しやすくなります。
この余白を活かして、じっくり読める情報を整理しておきましょう。

・壁面やパネルで段階的に情報を提示
・来場者の興味に応じて読み進められるよう、複数の切り口を用意する

Area4

最奥エリア:興味を持ってきてくれた人に、丁寧に応える

会場の奥まで足を運ぶ来場者は、気になっている企業やサービスを明確に探しているケースが多くなります。ここでは、比較検討や導入を前提に情報を求めている人に応える準備が求められます。

・詳細な事例や機能説明をしっかり見せる
・スタッフとの会話や資料で、理解を深める場をつくる

どのエリアでも大切なのは、来場者の目線で考えること。
人がどんなスピードで歩き、どんな気持ちでブースを見ているか。
その想像力が、伝わるブース設計につながっていきます。

来場者の動きに合わせて選ぶ、4つのブース設計パターン

展示会ブースの設計には、出展場所や目的に応じていくつかの”型”があります。
そのどれを選ぶかによって、来場者との出会い方も大きく変わってきます。
ここでは、ビーツが実際の現場でよく使っている代表的な4つのパターンをご紹介します。

Case1

全面開放型|入りやすさを重視するブース

壁をできるだけなくし、通路から中の様子がひと目でわかる構成です。
来場者に「入りにくさ」を感じさせず、自然と足を踏み入れてもらえる効果があります。

向いているシチュエーション
・主動線沿いなど、来場者の流れが速いエリア
・サービス内容がシンプルで、ひと目で伝わりやすい場合
ポイント
・視線を遮らないレイアウトでオープンに見せる
・中央にアイキャッチとなるサインやモニターを配置して、引き込みを強化

【ビーツ事例】株式会社LayerX様「バクラク」ブース|会計・財務EXPO

Case2

壁面増設型|情報整理と多訴求に強いブース

壁面を使って、複数の情報を整理して見せるスタイル。
全体像を把握しやすくすることで、来場者が関心のある内容に自然と引き寄せられます。

向いているシチュエーション
・主動線からやや外れた、滞在しやすいエリア
・複数のサービスや機能を紹介したい場合
ポイント
・情報ごとにゾーンを分け、見やすく配置
・立ち止まって読めるコンテンツを壁面に整理

【ビーツ事例】株式会社NTTドコモ様ブース|スーパーマーケット・トレードショー 2025

Case3

モニター多用型|映像で“瞬間理解”を促すブース

大型モニターや動画コンテンツを活かして、通行中の人の目を引きつける構成です。
短時間でサービスの特徴を伝えたいときにも有効です。

向いているシチュエーション
・中央エリアや比較的通行量の多い場所
・IT、SaaS系サービスなど、説明に時間がかかる内容
ポイント
・歩きながらでも理解できる短尺動画を用意
・動画と静的な説明パネルを組み合わせて、理解を促進

【ビーツ事例】エピックベース株式会社様「スマート書記」ブース|Japan IT week 春

Case4

独自世界観型|記憶に残る体験を設計するブース

空間全体でブランドの世界観や価値観を表現する構成です。
来場者に「このブランドらしい」と感じてもらえる体験をつくることで、印象に残るブースになります。

向いているシチュエーション
・比較的大型のブース(4小間以上)
・BtoC向け、ライフスタイル系商材、コスメ・ファッションなど
ポイント
・ブランドストーリーを空間に落とし込む演出
・SNSでシェアされやすいフォトスポットなども有効

【ビーツ事例】ロート製薬株式会社|JAPANドラッグストアショーブース

展示会場で足を止めてもらうためには、ただ目立つだけでなく、
「このブースちょっと見てみたい!」と思わせる設計が欠かせません。
ブースの位置や伝えたい内容に合わせて、最適な型を選び、来場者との出会いをデザインしていきましょう。

パターンを活かして、より伝わるブースへ

ここまでご紹介してきたように、展示会ブースには造作にいくつかのパターンがあります。
各パターンを理解したうえで、出展場所や目的、来場者の動きに応じて柔軟に活かしていくことが設計の精度を高めるポイントになります。

▼ 詳しくはホワイトペーパーをご覧ください!

ビーツでは、これまで多くの企業の展示会出展をサポートしてきました。
本記事でご紹介したような造作パターンに加えて、訴求のパターンについても実際の現場でどう活かされているかを、事例写真とともに紹介したホワイトペーパーをご用意しています。

・各パターンを活かした設計の工夫
・ブース全体のレイアウトや演出の実例
・出展目的や立地に応じた考え方のヒント

ブース設計の参考資料として、ぜひダウンロードしてご活用ください。

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伝わるブースづくり、ビーツといっしょに始めませんか?

展示会ブースの設計は、伝えたいことをどう届けるか、来場者の動きをどう設計するかなど、細やかな工夫の積み重ねが、成果につながります。ビーツはこれまで、業界や業種を問わず多くの展示会出展をサポートしてきました。
企画・設計・デザイン・施工・当日の運営までを一貫して対応できる体制で、現場で起きるあらゆる課題に向き合ってきた経験があります。

こんなお悩みに応えています

・展示会に出展するのは初めてで、何から始めればいいかわからない
・伝えたいことが多く、どう整理すればよいか迷っている
・当日の動線や運営面まで考えられるか不安

◆出展を検討している段階でも、ぜひご相談ください。

会場や小間数がまだ決まっていなくても問題ありません。
「伝える内容をどう整理するか」「どんな構成が合いそうか」といった初期段階のご相談からサポートしています。
ご希望に応じて、過去の事例や空間設計の資料もご紹介可能です。
展示会のパートナー選びに迷っている方も、まずはお気軽にご相談ください。

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