ぬい活にハマるZ世代~広がる推しとの日常体験

お気に入りのぬいぐるみと一緒におでかけしたり、カフェで写真を撮ったり。そんな「ぬい活」を日常の楽しみにしているZ世代が、いま増えています。
ぬいぐるみは、ただのモノではなく、「推し」や自分らしさを映す大切な存在。
写真に収めてSNSで共有することで、共感の輪が広がっていくのも特徴のひとつです。
最近では、ぬい活をもっと楽しめるように工夫されたカフェやポップアップも登場し、企業による取り組みも増えてきました。
この記事では、ぬい活が広がっている背景や企業の取り組み事例を紹介しながら、Z世代の感性に寄り添う体験のヒントを見つけていきます。
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ぬい活とは?Z世代が夢中になる理由
「ぬい活」という言葉を、聞いたことはありますか?
これは、“ぬいぐるみ活動”の略で、ぬいぐるみを連れてお出かけしたり、カフェで一緒に写真を撮ったりする、Z世代を中心に広がっているカルチャーです。ちょっと不思議に思えるかもしれませんが、当人たちにとってはごく自然な楽しみのひとつ。いまや“推し活”の一部として、すっかり定着しつつあります。
では、ぬい活の“ぬい”とはどんな存在なのでしょうか?
ぬい活の「ぬい」は、お気に入りのキャラクターやアーティストをかたどったぬいぐるみのこと。推し活の象徴的な存在として大切にされ、服を着せたり、一緒に旅先で撮影したりと、まるでパートナーのように扱われます。SNSでは「#ぬい活」や「#ぬい撮り」といったタグで写真が共有され、見た人同士が自然と共感し合う流れも生まれています。(2025年6月現在、「#ぬい撮り」タグの投稿は413万件)
自己表現や共感を大切にするZ世代にとって、ぬい活はSNSや日常の投稿と地続きのごく自然な行動です。かわいさや楽しさだけでなく、「自分の好き」を大事にする感性や、誰かと気持ちを共有する心地よさが、この文化を支えているようです。
実は奥が深い?ぬい活の楽しみ方いろいろ

ぬい活を楽しむ人たちは、実際にどんなふうに過ごしているのでしょうか?その楽しみ方は、想像以上にバリエーション豊かです。
●ぬいと一緒におでかけ
カフェや観光地に連れて行き、風景と一緒に撮影。お気に入りの席に座らせるなど、あたかも一緒に過ごしているように演出。
●ぬい撮りを極める
SNS投稿を前提に、ポージングや背景、小物にまでこだわる。#ぬい撮り のタグを中心に、多くの写真が日々シェアされている。
●ぬいのために衣装や小物を用意
イベントに合わせた“衣替え”や、手作りの衣装など。おしゃれを楽しむ対象として、ぬいに“着せたい”という気持ちが広がっている。
●ぬい専用グッズを持ち歩く
お布団、キャリーケース、撮影用の背景ボードなど、ぬいと過ごす時間を快適にするアイテムを準備する人も多い。
●ぬいとの日々を記録
旅行アルバムやフォトブックにまとめたり、SNSで“ぬいの日記”のように投稿するスタイルも。推しとの思い出を可視化する手段として人気。
●ぬい同士で交流する
“ぬい垢”同士がSNS上でつながり、ぬいにキャラクター性を持たせて交流することも。ぬいを通して広がるコミュニティが存在しています。
こうして見ると、ぬい活は、ただぬいぐるみを持ち歩くだけの行動ではないことがわかります。
“推しと一緒にいる感覚”を日常に取り入れる、ちょっとした工夫の積み重ね。やってみたら案外ハマる(!?)そんな奥深さがあるのかもしれません。
広がる「ぬい活消費」市場
ぬい活はZ世代を中心に生活に浸透しながら、関連する消費行動にも広がりを見せています。
SHIBUYA109エンタテイメントが運営する若者マーケティング機関『SHIBUYA109 lab.』の調査では、Z世代女性のうち約8割が「ぬい活をしたことがある」と回答。想像以上に多くの人がこのカルチャーに触れていることがわかります。
ぬいぐるみ本体だけでなく、洋服やアクセサリー、キャリーケース、撮影用の小物など、ぬい活のための専用アイテムも続々と登場。キャラクターグッズ売場や雑貨店では、ぬい活コーナーが設けられるなど、関連市場は拡大を続けています。
さらに、ミレニアル世代やアニメ・K-POPファンといったZ世代以外の層にも広がっており、“ぬいを連れて楽しむ”というスタイルは、より幅広い層から共感を集めつつあります。
こうしたぬい活消費が広がっている背景には、写真映えやSNS投稿といった“拡散性”の強さもあります。ぬいは、かわいらしく、個性を出しやすく、共感を呼びやすい存在。自分の「好き」を表現する手段として、多くの人がぬい活を日常に取り入れるようになっています。
ぬい活に寄り添う企画・プロモーション事例
ぬい活が広がる中で、企業やブランドもその感性に寄り添った企画やプロモーションを展開するようになっています。ぬい撮りを楽しめるフォトスポットや、ぬい用グッズの提案、宿泊体験にまで広がる“推しとの時間”のデザインなど、アプローチはさまざま。ここでは、ぬい活を取り入れた企業の取り組みを紹介します。
ユザワヤ商事株式会社「推し活・ぬい活POP UP STORE」
手芸用品大手のユザワヤは、2024年にマルイファミリー海老名で「推し活・ぬい活POP UP STORE」を展開。ぬいぐるみ用の洋服やアクセサリー、ミニサイズのメガネや靴、さらにはペンライトなど、ぬいの“おしゃれ”や“演出”をサポートするグッズを豊富にそろえました。
株式会社フェリシモ 「推し活ナイトミュージアム」
フェリシモが展開する「felissimo chocolate museum(フェリシモ チョコレート ミュージアム)」で2024年8月に開催された特別イベント「ぬい撮り☆ナイト ~推しと一緒に~」。推しのぬいぐるみやアクスタなどと一緒にミュージアムを巡って撮影が楽しめるほか、イベント限定のフォトスポットが登場。ぬいと一緒に楽しめるコンテンツが多数用意された企画でした。
The Ryokan Tokyo YUGAWARA「ぬい活パック」宿泊プラン
神奈川県・湯河原の温泉旅館「The Ryokan Tokyo YUGAWARA」では、ぬい活を楽しむ人向けの宿泊プラン「ぬい活パック」を展開。ぬい専用のお布団や撮影用背景ボード、ぬい服づくりができる専用ミシンのレンタルなど、旅先でも推しと過ごせる体験を用意しています。非日常の旅の体験とぬい活を掛け合わせた“推し旅”提案として注目を集めています。
ドウシシャ「ミニスチームアイロン」
生活用品メーカーのドウシシャは、2025年6月に手のひらサイズの「ミニスチームアイロン」新色を発売。細部の仕上げがしやすく、もともとは手芸目的で人気を集めていた製品ですが、近年はぬい服づくりやメンテナンス用途としてぬい活ユーザーからの支持が拡大。今回の新色では、公式にぬい活との相性の良さを打ち出し、パステルカラーの展開など、若年層の女性を意識した提案がなされています。
まとめ|“好き”を持ち歩く感性から、体験のヒントを探す
ぬい活は、ぬいぐるみを通じて“推しと一緒にいる感覚”を楽しむ、新しいライフスタイルのひとつ。
Z世代を中心に広がるこの動きは、実は消費行動や企業のプロモーションにもじわじわ影響を与えています。
単にモノを売るのではなく、「どうすれば共感のきっかけを生み出せるか?」が問われるいま、ぬい活はそのヒントのひとつになり得ます。
「自分の好きに正直でいたい」「それを誰かと共有できる瞬間がうれしい」。
そんな感性に寄り添う企画やプロモーションが、これからますます求められていくかもしれません。
ぬい活から考える、これからの体験と企画づくり
ぬい活にハマる人たちは、誰よりも自分の“好き”にまっすぐです。
“推しと一緒に楽しめる場所”や“思い出を持ち帰れる体験”をどう設計するか。
その文脈づくりが、これからのプロモーションを考えるうえでのヒントになります。
たとえば…
●ぬい撮りが映えるよう設計されたディスプレイやフォトブース
→ 撮りたくなる・共有したくなる背景や高さ、導線を工夫
●ぬい活を前提にしたポップアップやイベント体験
→ 撮影・購入・推し活を一体で楽しめるような構成づくり
●“推しと一緒にいる”を楽しむノベルティ
→ ぬいサイズの○○、ぬいを装飾するアイテム、ぬいとの時間を楽しむグッズなど
●SNSと連動した体験フローの整備
→ 投稿が自然と生まれる導線設計や、UGC活用の仕掛けづくり
「どうすればこの場所・商品で、“推しとの時間”がもっと楽しくなるだろう?」
そんな視点から、これからのプロモーション企画や体験設計を見直してみると、新たな発想が生まれるかもしれません。
ビーツは体験づくりのパートナー

私たちビーツは、リアルプロモーションや空間演出、販促ツールなどを通じて、ブランドの魅力が伝わるリアルな場づくりを企業とともに実現してきました。Z世代向けブランドのポップアップストアや体験イベントも手がけており、「共感」や「シェア」を前提とした企画設計に、力を入れています。
ビーツがこれまで手がけた事例や取り組みは、以下のページでご紹介しています。
プロモーション設計や空間づくりにお悩みの方は、ぜひお気軽にご相談ください。
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