“静けさ”が主役に。ニューヨーク発・最新店舗デザイントレンド 【2025秋】

世界の店舗デザインの最先端を走るニューヨークでは、2025年秋に注目される3つのトレンドキーワードが浮かび上がっています。
それが 「Quiet Minimalism(静的ミニマリズム)」「Reflective Futurism(ミラー・フューチャリズム)」「Soft-Luxury(ソフト・ラグジュアリー)」。
本記事では、その中から「Quiet Minimalism(静的ミニマリズム)」 に焦点を当ててご紹介します。
他2つのキーワードの詳細や最新のニューヨーク店舗事例については、株式会社ビーツとワールド・モード・ホールディングス株式会社が共同で監修・発行したレポート【ニューヨーク最新店舗デザイントレンド 2025秋号】にまとめていますので、ぜひ合わせてご覧ください。
派手さや情報量で魅せる従来の空間とは異なり、心を落ち着かせる“静けさ”をデザインするこの潮流は、今後の店舗体験を大きく変えていく可能性を秘めています。
そんな「Quiet Minimalism(静的ミニマリズム)」の特徴を、具体的に見ていきましょう。
▼流行の最先端、ニューヨークから読み解く2025年秋の最新店舗デザイントレンドを解説!

店舗デザイントレンド「Quiet Minimalism(静的ミニマリズム)」とは何か

Quiet Minimalism(静的ミニマリズム)とは、従来の「シンプルさ」を追求するミニマリズムをさらに発展させた概念です。
モノや装飾を減らすだけでなく、空間そのものに“静けさ”や“安らぎ”を組み込むことを重視しています。
ニューヨークでは、消費者のライフスタイルが多様化し、情報や刺激にあふれる都市生活の中で「心を落ち着ける時間」へのニーズが高まっています。
その背景から、店舗デザインにおいても「静寂」を取り入れるアプローチがブランド体験の重要な要素になりつつあるのです。
Quiet Minimalism(静的ミニマリズム)は、一過性の流行ではなく、ブランドと顧客をつなぐ新しい体験づくりのアプローチと言えるでしょう。
「Quiet Minimalism(静的ミニマリズム)」デザイン要素の特徴
ニューヨークの最新店舗デザインに見られるQuiet Minimalism(静的ミニマリズム)の特徴を整理すると、次のようになります。
●色彩
白、アイボリー、ベージュ、ストーングレーなど、ニュートラルで落ち着きのある色が中心。
彩度の高い色やコントラストを排し、空間全体に「柔らかさ」と「統一感」を持たせています。
●素材
天然木、リネン、漆喰、石材など、自然を感じさせるマテリアルを多用。
触れると温もりが伝わる素材は、シンプルな空間に“人間らしさ”を添える役割を果たしています。
●空間設計
装飾やサインを削ぎ落とし、余白を大切にした配置。
照明も強い演出を避け、間接光や自然光を活かすことで「静けさの中で商品と向き合う時間」をつくり出しています。
このようにQuiet Minimalism(静的ミニマリズム)は、「過剰さを削る」のではなく「必要な要素だけを研ぎ澄ませる」デザインとも考えられます。
店舗デザインに「Quiet Minimalism(静的ミニマリズム)」を取り入れるブランド事例(ニューヨークの最新動向)
ニューヨークの旗艦店や新規オープン店舗では、Quiet Minimalism(静的ミニマリズム)を取り入れるブランドが増えています。
たとえば、あるラグジュアリーブランドは、従来の華美な装飾を抑え、まるでギャラリーのような白と石材で構成された店舗を展開。
商品そのものの存在感を際立たせ、来店者に「作品と向き合う時間」を提供しています。
また、ライフスタイル系のブランドでは、自然光をふんだんに取り込み、家具や什器も木材やリネンで統一。
まるで自宅にいるかのような温かさを演出し、顧客に「リラックスできる購買体験」を与えています。
これらの事例に共通するのは、ブランドが空間を通じて「商品以上の価値」を提供しているという点です。
静的ミニマリズムは単なるインテリアの潮流ではなく、ブランド体験を強化するための戦略的デザインと捉えることができます。
日本での店舗デザイントレンド「Quiet Minimalism(静的ミニマリズム)」の可能性
日本でも「静けさ」「余白」「間」を重んじる文化は古くから存在しています。
そのため、Quiet Minimalism(静的ミニマリズム)は、国内の消費者にとっても自然に受け入れられるデザイン手法といえるでしょう。
特に、以下の効果が期待されます。
●滞在時間の延長:落ち着いた空間が顧客の滞在を促す
●商品理解の深化:過剰な情報を排することで商品に集中できる
●ブランド信頼の強化:洗練された空間がブランド価値を高める
こうした効果は、これからの小売業や商業施設において大きな競争力となるはずです。
ニューヨーク最新店舗デザイントレンド 2025秋号
今回ご紹介した「Quiet Minimalism(静的ミニマリズム)」は、2025年秋のニューヨーク店舗デザイントレンドのごく一部です。
本レポートでは、このほかに「Reflective Futurism(ミラー・フューチャリズム)」「Soft-Luxury(ソフト・ラグジュアリー)」など、今後の店舗づくりで注目すべきキーワードを幅広く取り上げています。さらに、ニューヨークで注目の店舗写真やデザイナー・クリエイターのインタビューを多数掲載しています。
▼【ニューヨーク最新店舗デザイントレンド 2025秋号】 をぜひダウンロードいただき、全貌をご確認ください。

ビーツの実績紹介

ビーツでは、さまざまな企業のセールスプロモーションや展示会、ポップアップストアなど、リアルな場でのブランド体験づくりを多数手がけています。
最近ではZ世代に人気の韓国ブランドやキャラクターをテーマにしたポップアップストアも担当し、「思わず写真を撮りたくなる」仕掛けや、SNSにシェアしたくなる演出で、来場者が楽しめる空間を作ってきました。
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LEFT
Photography: Clement Pascal, Courtesy of The Elder Statesman
Location: The Elder Statesman
Design: Practical Arts
Fixtures Source: Michael Bargo
CENTER
Photography: Connor Rancan
Location: Silence Please
Design: Graine Studio
Art Curation: Amelie Maison d’Art
Tea Selection Collaborators: Tezumi Tea, Hello Song Tea, Unified Ferments
RIGHT
Photography: Jacob Lillis
Location: Climax Books
Design: Kat Milne