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真夏のポップアップ・展示会で「熱中症対策」は必須!現場でできる5つの工夫

真夏のイベントやポップアップ、展示会の現場では、暑さ対策が欠かせません。
運営スタッフの体調管理はもちろん、訪れたお客様にとっても「涼しく過ごせるかどうか」は、体験そのものの印象を大きく左右します。
とはいえ、短期間で構築される仮設空間や屋外ブースでは、空調や日除けの準備が難しい場面も少なくありません。
だからこそ、あらかじめ“暑さを前提にした設計”を組み込んでおくことが、これからの現場では大切になってきます。
今回は、展示会やポップアップの場で実践できる熱中症対策と暑さを前提にした体験の場づくりのヒントを、5つの視点でご紹介します。

目次

▼オフィスの熱中症対策については「企業の熱中症対策、“伝える工夫”も忘れずに。ポスターより伝わるサイネージとは?」をご覧ください。

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暑さの影響は、来場者の行動にもあらわれる

真夏のポップアップや展示会は、空間や体験の設計そのものが「暑さ」に左右されがちです。
たとえば、こんなシーンを想像してみてください。

・開放的なデザインだけど、日差しが強すぎて通り過ぎられる
・見たいコンテンツがあっても、屋外に並ぶのはちょっとしんどい
・会場全体に暑さがこもっていて、立ち止まる気にならない

こうした状況が積み重なると、回遊時間が短くなり、ブランド体験の密度も下がってしまいます。
せっかく工夫した導線やプロモーションも、“暑いから”のひと言でスキップされてしまうのはもったいないですよね。

加えて、暑さは現場スタッフの対応力やパフォーマンスにも影響します。
表情や声のトーン、対応の丁寧さなどすべてに余裕がなくなれば、接客そのものの印象も変わってしまいます。運営側のパフォーマンスが下がることで、結果的に顧客体験にまで影響が及ぶことも考えられます。

一方で、快適な環境が整っていれば、現場の運営も安定し、接客の質も保ちやすくなります。
来場者にとっても、「もう少し見てみようかな」「写真も撮っておこう」と、自然な滞在意欲が生まれてきます。

現場で実践したい、暑さ対策の5つの工夫

来場者の回遊や体験、スタッフのパフォーマンスにも影響を与える「暑さ」。
その影響を軽減し、快適な空間と体験を守るためには、あらかじめ準備段階での検討が欠かせません。
ここでは、ポップアップストアや展示会、イベントの現場で実際に取り入れやすい、5つの具体的な暑さ対策の工夫を紹介します。

工夫1.

日差しを遮るシェードやスポットクーラーを準備

とくに屋外のイベントでは、直射日光が差し込むエリアにシェードや仮設テントを設置し日差しを遮る工夫が欠かせません。
あわせて、スポットクーラーや冷却ミスト、サーキュレーターなどを使って、局所的に風を感じられる環境をつくることで、来場者の体感温度を下げる効果も期待できます。

こうした暑さ対策は、屋内であっても油断できません。
空調の効きにくい場所や、人が集まって熱がこもるブースまわりでは、風の流れを意識したレイアウトや簡易冷却機器の活用が、有効な手立てになります。

真夏のポップアップや展示会では、「入ってすぐに涼しい」と感じてもらえる設計が、来場者の滞在意欲を引き出す第一歩になります。

工夫2.

スタッフが休める環境を整える

熱中症対策は来場者だけでなく、現場を支えるスタッフにとっても重要なテーマです。
とくに設営や撤収を含め、長時間現場に立ち続ける夏場の運営では、「いつ・どこで・どのように休憩できるか」までをあらかじめ設計しておくことが求められます。

例えば、無理のないシフトを組む、スタッフ用のスケジュール表に休憩時間を組み込むなど、運営面での“休める仕組み”を設けることがポイントです。
どこで休憩するかという空間的な工夫とあわせて、「しっかり休んでもらうことを前提とした運営体制」が、現場全体の安定やイベントの成功につながります。

工夫3.

「気が利く」熱中症対策ノベルティを用意する

ちょっとした気配りが、来場者の体験満足度に大きく影響するのが夏場の現場。
暑さ対策として実用的なノベルティを配布することは、熱中症予防になるだけでなく、ブランドへの好印象にもつながります。

たとえば、
・冷感タオルや首元に巻けるアイスリング
・塩分タブレットや冷却スプレー
・手軽に使える携帯用ボディシートやうちわ

など、“すぐに使いたくなる”アイテムは、もらった瞬間に喜ばれるだけでなく、「このイベント、気が利いてるな」という印象を残しやすいポイントにもなります。

暑さ対策として役立つうえ、その場で“うれしい”と感じてもらえるノベルティは、商品やブランドに触れてもらうきっかけにもなります。販促だけでなく、ちょっとした驚きや印象づけにも効果的な手段として活用できます。

工夫4.

涼しさを活かした体験を仕掛ける

暑さは、ただ避けるだけでなく、体験設計の一部として活かすこともできます。
夏場ならではの「ひんやり」「気持ちいい」と感じる瞬間をつくることで、来場者との接点に変えることができます。

たとえば、
・冷感スプレーやボディシートのタッチ&トライ体験
・風通しのよい場所にベンチを置き、“ひんやりスポット”としてひと休みできる空間を演出
・氷柱を使った演出で、視覚的に涼しさを届ける工夫
 → 氷の中にブランドロゴやメッセージを閉じ込めることで、自然と足を止めたくなるフォトスポットに
・風鈴の音を取り入れ、聴覚から涼を感じさせる演出
 → 短冊にブランドコピーを添えるなど、メッセージ性を持たせた仕掛けとして活用

涼しさを取り入れた工夫は、熱中症対策としての役割にとどまらず、来場者にとっての“楽しさ”や“印象に残る体験”にもつながります。暑さをネガティブ要素と捉えるのではなく、夏だからこそできる演出として組み込んでいくことも、夏の企画のポイントになります。

工夫5.

視覚から涼しさを演出する空間づくり

実際の温度を下げることが難しい場面でも、「見た目から涼しさを感じさせる工夫」は十分に効果を発揮します。 特に、照明・素材・配色など視覚に訴える要素は、「涼しげに見える空間を演出するうえで有効な手段です。

たとえば、
・透明感のある什器やパネル(アクリル、ガラス調など)
・涼しげな印象を与える配色(白・水色・シルバーなど)
・水や氷を連想させるグラフィックや演出モチーフ
・照明を抑えた“ひんやり”トーンの演出

など、触れなくても「なんとなく涼しそう」と感じられる工夫は、来場者の滞在意欲アップにもつながります。
「暑さをどう避けるか」ではなく、「涼しさをどう印象づけるか」という視点が、空間の印象を大きく変えていきます。

参考|夏のイベント主催者のための熱中症対策ガイドライン

イベントの主催者や施設の管理者向けには、環境省が熱中症対策のガイドラインを公開しています
企画時点、実施時点、発症者が出た場合、スタッフ管理など押さえておきたいポイントが整理されているので、「何から始めるべきか」と迷ったときは参考にしてみるのもおすすめです。

▼環境省「熱中症対策ガイドライン」掲載ページはこちら

https://www.wbgt.env.go.jp/heatillness_gline.php

「暑さへの備え」も、体験設計の一部として考える

熱中症対策というと、安全管理や注意喚起にとどまりがちですが、
イベントやポップアップの現場では、それ以上に体験の質を左右する設計要素でもあります。

ほんの数度の温度差や、少しの演出の違いでも、
来場者の足が止まったり、「ちょっと涼しくて助かった」と感じるきっかけになります。
そうした細やかな配慮の積み重ねが、体験全体の心地よさをかたちづくっていきます。

暑さを避けるのではなく、暑い時期だからこそ感じられる快適さをどう仕掛けるか。
それが、これからの夏のポップアップやイベント・展示会の場づくりに求められる視点かもしれません。

夏の現場をもっと快適に。ビーツが空間から運営までトータルでサポート

ビーツでは、ポップアップストアや展示会の企画・設計・運営において、暑さを前提とした体験設計も含めたご提案が可能です。「熱中症対策」としての安心感だけでなく、夏だからこそできる“快適で楽しい場づくり”を一緒に考えていきませんか?

空間演出から運営設計までトータルでサポートできるのはもちろん、「ノベルティだけ」「空間の部分演出だけ」など、スポットでのご相談も承っています。ぜひお気軽にご相談ください。

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