たまごっち、モンチッチがZ世代に人気?昭和・平成キャラクターに惹かれる理由

2026年上半期の若年層トレンドで、少し意外な結果が注目を集めています。
αZ総研が発表した「αZ世代が選ぶ2026年上半期トレンドランキング」では、今回から新設されたキャラクター部門で「たまごっち」が1位にランクイン。続いて、2位に「パペットスンスン」、3位に「モンチッチ」が選ばれました。ランキングのTOP10のうち、多くのキャラクターは昭和・平成生まれという結果になっています。
たまごっちは1996年に発売され、2026年には30周年を迎える平成を代表するキャラクターのひとつです。モンチッチは1974年に発売され、2024年には誕生50周年を迎えた昭和生まれのキャラクターです。
なぜ、昭和・平成に生まれたキャラクターたちが、今のZ世代にも支持されているのでしょうか。
今回は、たまごっちやモンチッチの再注目をきっかけに、Z世代が昭和・平成キャラクターに惹かれる理由と、企業プロモーションに活かすヒントを考えていきます。
参考:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000116.000020799.html
リアルタイムで知らないからこそ、新鮮に映る昭和・平成キャラクター
たまごっちやモンチッチは、親世代や少し上の世代にとっては、懐かしさを感じる存在かもしれません。
当時遊んでいた記憶や、キャラクターそのものに思い出が重なる人も多いのではないでしょうか。
一方で、多くのZ世代にとっては、たまごっちやモンチッチはリアルタイムでブームを体験したキャラクターではありません。Z世代は一般的に1990年代後半から2010年代前半に生まれた世代を指すため、たまごっちの発売当時はまだ生まれたばかり、もしくは生まれる前だった人も多くいます。
だからこそ、少しレトロなデザインやフォルム、アナログ感のある世界観が、近年の「平成レトロ」ブームと相まって、新鮮なかわいさとして映っているようです。
上の世代にとっての「懐かしさ」が、Z世代にとっては「知らない時代のかわいさ」になる。
こうした見え方の違いが、昭和・平成キャラクターが今あらためて注目されている理由のひとつだと考えられます。
▼こうした「知らないのに懐かしい」感覚については、以前の記事でも紹介しています。
関連記事:「平成レトロ」がZ世代にウケるワケ|“エモかわ”体験を企画に活かすヒント

キャラクターは「見るもの」から「持ち歩く自己表現」へ
昭和・平成キャラクターがZ世代に受け入れられている背景には、キャラクターとの関わり方の変化もあります。
かつてキャラクターは、テレビやゲーム、雑誌、おもちゃ売り場などで「見る」「遊ぶ」存在として親しまれてきました。今もその役割はありますが近年は、キャラクターを日常の中に取り入れる楽しみ方が広がっています。
・バッグにつける
・スマホに挟む
・写真に撮る
・友達と一緒に並べて撮影する
・SNSに投稿する
キャラクターは、ただ眺めたり集めたりするものではなく、自分の「好き」を表現するアイテムになっています。
たとえば、今回のランキングで2位に入ったパペットスンスンについても、「リュックなどにつけている人も多かった」というコメントが紹介されています。キャラクターを身につける、持ち歩くという行動は、今のキャラクター人気を考えるうえで欠かせないポイントです。
これは、ぬい活や推し活の広がりとも近い感覚があります。
お気に入りのキャラクターを持ち歩くことは、単にグッズを持つことではありません。
「この世界観が好き」「このゆるさがかわいい」「このキャラクターを選ぶ自分が好き」そうした気持ちを、日常の中でさりげなく表す行為でもあります。
服やメイクほど強く主張しすぎず、でも自分らしさは伝えられる。
この「ちょうどよさ」が、Z世代とキャラクターの相性のよさにつながっているのかもしれません。
キャラクターは、画面の中や売場の中だけで完結するものではなくなっています。
生活者のバッグやスマホチャーム、日常に使う雑貨や文具、写真の中、SNSの投稿の中へと入り込みながら、その人らしい「好き」を伝える存在になっています。
▼ぬいぐるみを日常に連れて歩く「ぬい活」については、こちらの記事でも詳しく紹介しています。
関連記事:ぬい活にハマるZ世代~広がる推しとの日常体験
平成生まれの「たまごっち」に再びブームが来ている理由
たまごっちは、1996年の発売当時、手のひらサイズのデジタルペットを育てるという新しい遊び方で大きなブームを起こしました。
ごはんをあげたり、お世話をしたり、成長を見守ったり、小さな端末の中にいるキャラクターと関わり続ける体験は、当時の子どもや若者にとって新鮮なものでした。
そのたまごっちが、令和の今あらためて注目されている背景には、平成レトロや平成女児ブームの広がりがあります。
当時たまごっちで遊んでいた世代にとっては、懐かしさとともに思い出がよみがえる存在です。一方で、リアルタイムで体験していないZ世代にとっては、育てる楽しさ、持ち歩けるサイズ感、レトロでかわいいデザインが新鮮に映っています。さらに、30周年という話題性やSNSでの投稿の広がりも重なり、たまごっちは今の若い世代にも届くキャラクターとして、再び存在感を高めています。
また、たまごっちはK-POPカルチャーの中でも、IPとしての広がりを見せています。2022年にはBTSのキャラクター「TinyTAN」をモチーフにした「TinyTAN Tamagotchi」の予約販売が発表されました。さらに、2025年にはStray Kidsの公式キャラクター「SKZOO」とのコラボ商品も登場しています。BLACKPINKとのコラボレーションについても、2025年12月に「BLACKPINKオリジナルたまごっち」の先行販売が報じられ、2026年公開予定の公式コラボレーションのプレローンチ商品として紹介されています。
こうした展開からも、たまごっちは国内の平成レトロ文脈にとどまらず、グローバルなY2KブームやK-POPカルチャーとも結びつきながら、今の若い世代に届くアイテムとして再び存在感を高めていることがうかがえます。
昭和生まれの「モンチッチ」が再発見されている理由
モンチッチは、1974年にセキグチから発売された昭和生まれのキャラクターです。ぬいぐるみの体にソフビ製の顔と手足を組み合わせた独特のデザインや、おしゃぶりポーズ、そばかすのある表情で、発売当時から大きなブームを起こしました。翌年からは海外への輸出も始まり、現在までに30か国以上で展開されています。
そんなモンチッチが近年あらためて注目されている背景には、日本国内の懐古ブームだけではなく、海外での再評価があります。特に大きなきっかけとなったのが、2024年夏ごろのタイでの広がりです。タイの俳優やインフルエンサーの投稿をきっかけに、モンチッチをバッグにつけてSNSで発信する人が増え、現地での人気が高まったといいます。その後、韓国のアイドルやインフルエンサーによる投稿も増え、韓国でも注目が広がっていきました。
さらに、BLACKPINKのLISAさんが原宿でモンチッチを購入している様子をInstagramで公開したことも、若い世代に広がるきっかけのひとつとして紹介されています。
つまり、今回のモンチッチ人気は、日本で「懐かしいキャラクター」として自然に再燃したというより、海外で先に再評価された流れが日本の若い世代にも届いた「逆輸入型」のブームとして見ることができます。
そこに、2024年の誕生50周年という節目も重なりました。周年を機にした商品展開やコラボレーション、メディア露出が増えたことで、昔から知っている世代だけでなく、モンチッチを新鮮なキャラクターとして受け取る若い世代の目にも触れやすくなっています。
さらに、2025年には「ラブブ」がZ世代を中心に大きな話題となり、バッグにぬいぐるみやキャラクターチャームをつけるスタイルにも注目が集まりました。こうした流れの中で、レトロな存在感や少しクセのあるかわいさを持つモンチッチも、今のZ世代の感性に自然となじむキャラクターとして、あらためて見つけられているのかもしれません。
モンチッチは、ラブブのような新しいキャラクターとは異なり、長い歴史を持つ昭和生まれのキャラクターです。だからこそ、Z世代にとっては見たことがあるようで新しいレトロなかわいさがあり、当時を知る世代にとっては懐かしさも重なります。
海外での再評価、50周年という話題性、バッグチャーム需要。複数のきっかけが重なったことで、モンチッチは今の若い世代にも「持ち歩きたいキャラクター」として再発見されているのではないでしょうか。
TOP10から見える、キャラクター人気の広がり方
今回ランクインしたキャラクターを見ていくと、ひと口に「昭和・平成キャラクター」といっても、流行のきっかけは一つではありません。
たまごっちやナルミヤキャラクターズのように、平成レトロ・平成女児ブームの中で再注目されたもの。コラショやケロロ軍曹のように、Z世代が子どもの頃に触れていた記憶からSNS上で再発見されたもの。パペットスンスンや韓国発のエスターバニーのように、SNSやコラボを通じて日常に浸透したもの。モンチッチのように、海外での再評価やバッグチャーム需要をきっかけに広がったもの。そしてハローキティのように、定番IPでありながら、時代ごとに新しい接点をつくり続けているもの。
それぞれきっかけは違っても、共通しているのは、キャラクターが今の生活者の行動に合う形で出会い直されていることです。
バッグにつけて持ち歩く。写真に撮る。SNSで共有する。友達との会話のきっかけにする。自分の「好き」を表すアイテムとして取り入れる。
キャラクターは、画面の中や売場の中だけで完結せず、日常の中で自分の気分を上げたり、誰かとの会話のきっかけになったりする存在へと広がっています。
過去に人気があったから選ばれているのではなく、今の生活者の行動に合う形で、もう一度見つけられている。その点に、今回のキャラクタートレンドの面白さがあるのではないでしょうか。
IPの力を、今の体験にどうつなげるか
たまごっちやモンチッチ、ハローキティのように長く愛されてきたキャラクターには、IPとしての強さがあります。
見た瞬間に伝わる世界観。
名前を聞いたときに思い浮かぶイメージ。
世代を越えて共有されてきた記憶や親しみ。
こうした蓄積は、新しいキャラクターには簡単につくれない価値です。
一方で、IPの知名度だけで今の生活者に届くとは限りません。
特にZ世代に向けたプロモーションでは、「知っているキャラクターだから反応する」というよりも、「今の自分の感性に合う」「写真に撮りたい」「持ち歩きたい」「友達に共有したい」と思えるかどうかが重要です。
だからこそ、キャラクターをただビジュアルとして掲出するだけではなく、そのIPが持つ世界観をどのような体験として届けるかが大切になります。
たとえば、店頭やポップアップストアであれば、写真を撮りたくなる空間づくり。
ノベルティであれば、日常に持ち帰りたくなるデザイン。
キャンペーンであれば、集めたくなる仕掛けや、SNSで共有したくなる参加性。
IPが持つ認知や世界観を、生活者の行動につながる形に変換することで、キャラクターは単なる装飾ではなく、ブランドとの接点を生む存在になります。
昭和・平成キャラクターが今の若い世代にも届いているのは、過去の人気だけに支えられているからではありません。
持ち歩く、写真に撮る、共有する、会話のきっかけにする。そうした今の体験と結びつくことで、IPとしての価値があらためて引き出されています。
企業がキャラクターを活用する際にも、「どのIPを使うか」だけでなく、そのIPの魅力をどのような体験に変換するかを考えることが重要になります。
まとめ|昭和・平成キャラクターは、体験として再び選ばれている
たまごっちやモンチッチのような昭和・平成生まれのキャラクターがZ世代に支持されている背景には、単なる懐かしさだけでは語りきれない理由があります。
リアルタイムで体験していないからこそ、新鮮なかわいさとして映ること。バッグにつけたり、写真に撮ったり、SNSで共有したりしやすいこと。そして、長く愛されてきたIPとしての力が、今の生活者の行動に合う形で再び引き出されていること。
昭和・平成キャラクターの再注目は、過去のブームがそのまま戻ってきた現象ではなく、今の若い世代の感性やライフスタイルに合わせて、あらためて出会い直されている現象といえそうです。
企業がキャラクターを活用したプロモーションを考える際も、「どのIPを使うか」だけでなく、そのIPが持つ世界観をどのような体験として届けるかが大切です。
写真を撮りたくなる空間、持ち帰りたくなるグッズ、集めたくなる仕掛け、SNSで共有したくなる企画。そうした体験設計によって、キャラクターは単なるビジュアルではなく、ブランドと生活者をつなぐ接点になります。
キャラクターやブランドの世界観を、リアルな体験へ
ビーツでは、ポップアップストアや店頭プロモーション、ノベルティ制作など、ブランドと生活者がリアルに出会う接点づくりをサポートしています。
キャラクターIPやブランドが持つ世界観を、空間・什器・グッズ・キャンペーンへと展開し、「見て終わり」ではなく、写真を撮りたくなる、持ち帰りたくなる、誰かに共有したくなる体験へとつなげていきます。
ブランドの世界観をリアルな場で届ける施策を検討する際は、ポップアップストアの事例集や、ビーツの事例紹介もぜひご覧ください。

