「韓国っぽ」のその先へ。韓国ブランドが日本の「ニューノーマル」になった理由と最新ポップアップ事例

以前、本メディアでは「Z世代から支持を受ける『韓国っぽ』の正体」についてレポートしました。公開から1年あまり、改めて振り返ってみると、市場にはあるポジティブな変化が起きています。
最近、あえて「韓国っぽ」という言葉を強調して使う場面が、以前より少なくなっているように感じませんか?
SNSや街中には韓国発のブランドがあふれているのに、その表現が控えめになっている——。実はこれ、ブームが去ったのではなく、韓国トレンドが「当たり前すぎて、わざわざ特別視しなくなった」という、確かな定着の証です。
この定着を支えているのが、リアルな場での「体験」です。
現在、ソウルの聖水(ソンス)や汝矣島(ヨイド)といったエリアは「ポップアップの聖地」と呼ばれ、毎週のように新しいブランドが独創的な空間を創出しています。韓国の消費者が求めるのは、単なる買い物ではなく、ブランドの世界観に深く浸る「没入体験」。この熱狂的な手法が今、日本市場にも持ち込まれています。
今回は「韓国っぽ」のその先を追いながら、2026年の最新動向と、ビーツが手がけた韓国ブランドの最新ポップアップ事例をご紹介します。
◆「韓国っぽ」について解説した前回の記事はこちら
なぜ2026年、「韓国っぽ」は「ニューノーマル」へと進化したのか?
「ブーム」から「インフラ」へ
2024年〜2025年にかけて、「韓国っぽ」という言葉はInstagramで #韓国っぽ タグが36万件超(2024年12月時点)を記録するなど、ブームの絶頂にありました。
しかし2026年現在、状況は一変しています。韓国ファッションプラットフォーム「MUSINSA(ムシンサ)」の2025年データによれば、「韓国ファッションは一時的な流行を超え、日本の消費者の日常に深く根付いた『ニューノーマル(新しい標準)』になった」と分析されています。
「外から来た珍しいもの」として楽しむフェーズを終え、今は「自分のスタイルに合う、質の良い選択肢」として自然に選ばれているのです。
「アテンション・デトックス」時代のブランド選択
2026年のトレンドキーワードである「アテンション・デトックス(情報の断捨離)」。SNSから大量に流れてくる情報に疲れを感じたZ世代は、過剰な「映え」よりも、自分を整えてくれる「本質的な価値」を求めています。
韓国ブランドが支持され続けているのは、彼らのニーズに応える洗練されたデザインや、「そこに行くだけで心が整う」ような、情報のノイズを削ぎ落とした空間演出に長けているからと言えます。
数字で見る:韓国ブランドの日本市場「定着」の実態
韓国ブランドが「一過性の流行」を脱し、強固な「日常の選択肢」となったことは、市場を牽引する各社の公開データからも見えてきます。ここでは、市場規模・継続性・浸透度の3つの視点から、その実態を紐解きます。
【市場規模】爆発的な成長から、安定した巨大市場へ
韓国最大級のファッションプラットフォーム「MUSINSA(ムシンサ)」が発表した2026年1月の公式レポートによると、同社の日本市場における成長は単なるブームの枠を超えています。
同レポートでは、年間取引額が前年比で約2.4倍に拡大したことが報告されており、2025年10月には単月取引額が約11億円(100億ウォン)を突破。日本市場における主要カテゴリーとしての地位を揺るぎないものにしました。
【継続性】「一度きり」から「リピート」へ、深まる信頼
データの中でも特に注目すべきは、消費者がブランドを信頼し、使い続けていることを示す「継続性」です。MUSINSAの「日本市場における再購買率の推移レポート(2025年)」では、再購買率(リピート率)が2023年比で約6倍に急増したという驚異的な数値が示されています。
これは、消費者が「珍しいから試す」というフェーズを終え、日常的なワードローブとして韓国ブランドを繰り返し選ぶ「ファン化」のフェーズへ移行したことを証明しています。
【浸透度】「都市部」から「全国区」へのインフラ化
韓国カルチャーはもはや、渋谷や心斎橋といった大都市の流行に敏感な層だけのものではありません。2025年1月30日のMUSINSAプレスリリース「日本全国47都道府県すべてで注文を記録」という発表は、その象徴的な出来事でした。日本国内のどこにいても韓国ブランドを日常的に享受できる環境が整い、地方都市でのポップアップ展開と相まって、文字通り「全国区のインフラ」として機能し始めていると言えます。
また、中央日報(2025年6月16日公開記事)においても、「日本のZ世代の日常になった韓流」として、一時の流行を超えた生活様式への浸透が報じられており、日韓の境界線が消費者の感性レベルで溶け合っている現状が浮き彫りになっています。
「韓国POPフィルター」という新しい視点
「韓国っぽ」の魅力が衰えない本質的な理由は、単に「韓国で作られたものだから」ではありません。そこには、電通報などが提唱した「韓国というPOPフィルター」という高度な編集能力が介在しています。
世界の潮流を「自分たちのスタイル」へ昇華
「韓国POPフィルター」とは、欧米、ブラジル、ギリシャ、中東など、世界中の多様なカルチャーや素材を韓国独自の感性でフィルタリングし、「今、最も熱狂を生むポップな商品」へと再構築して日本へ届ける構造を指します。
例えば、近年日本で大流行した「グリークヨーグルト(ギリシャ)」や「ドバイチョコレート(中東)」、「アサイー(ブラジル)」などは、元来韓国のものではありません。しかし、それらが韓国のクリエイターの手によって「視覚的な楽しさ(VMD)」や「SNSでの物語性」を付与された結果、日本でも爆発的なヒットとなりました。
「国籍」ではなく「センス」の基準に
2026年現在、消費者が支持しているのは「韓国そのもの」というよりも、世界中の良いものを最もエキサイティングに編集する「韓国発のポップセンス」です。
これはファッションやコスメの空間設計においても同様です。
「ヴィンテージ」「モダン」「ミニマル」といった普遍的なテーマを、韓国ブランドは独自の解釈で「新しく、手に入れたいもの」へと変換します。この「フィルターを通す技術」が確立されたことで、韓国ブランドは「出身地の話」ではなく「デザインやカルチャーの質の高さ」として、日本のニューノーマル(新しい標準)に君臨し続けているのです。
【事例紹介】ビーツが手がけた韓国ブランドポップアップストア
韓国本国でのポップアップ熱狂を背景に、日本でも「本国の世界観をいかに再現し、没入させるか」が成功の分かれ道となっています。ビーツがその最前線で支援した4つの事例をご紹介します。
「nugu」PRESSROOM(東京・渋谷)
インフルエンサー発信の韓国ファッションを牽引する「nugu」。ビーツは、その日本におけるプレス拠点(プレスルーム)の設計・施工を担当。
本施設は、複数ブランドのアイテムを紹介するショールームでありながら、単なる展示にとどまらず、メディアやインフルエンサーが実際に商品に触れ、発信につなげる場(ハブ)として設計。
装飾を抑えたミニマルな空間構成により、各ブランドの魅力が自然と引き立つ環境を整えています。

「nugu」ルミネエスト新宿店(日本1号店)
ビーツは、nugu日本初となる常設店舗の施工を担当。事例❶のプレスルームが「発信の核」なら、こちらは消費者が直接ブランドに触れる「体験の核」となる場所になります。オンラインでの勢いをそのままに、質感のある物理空間へと設計しました。新宿というトレンドの中心地で、ECだけでは伝えきれない素材感やブランドの空気感を具現化し、多くのZ世代の「日常」にブランドを溶け込ませました。

「FOLNUA」 阪急うめだ本店
「あなただけのもの」を意味するバッグ&ファッションブランド。韓国フラッグシップ店舗が持つクラシックかつモダンな世界観を日本で再現するため、什器の質感やヴィンテージ家具の選定まで細部にこだわった施工を担当。
百貨店のイベントスペースという制約の中で、ブランドの「重厚感」を損なわずに具現化に成功した事例です。

「ソンジェ背負って走れ」ポップアップ 渋谷PARCO
世界的なヒットを記録したドラマ『ソンジェ背負って走れ』の公式ポップアップストア。ビーツは渋谷PARCOにおける空間演出・施工をサポート。
ドラマの感動を呼び起こす象徴的なシーンを空間に再現し、ファンが作品の世界に入り込める「没入型」の展示を構成。最新の韓国トレンド(K-コンテンツ)とリアルなリテールを掛け合わせることで、短期間で爆発的な集客と話題性を生む、ライブ感あふれる空間を創出しました。

まとめ:韓国ブランドが日本で定着するために必要なこと
2026年、ブランドが生き残る鍵は、単なるトレンドの提示ではなく、消費者の日常に寄り添う「ブランド哲学の共有」です。
ビーツは、韓国ブランドが持つ感性と、日本の厳しい商業施設ルールや法規制を高い次元で同期(シンクロ)させる、「翻訳力のある施工」を強みとしています。韓国ブランドの日本進出、ポップアップ出店を検討中の皆様。一過性の熱狂を「10年続く日常」に変えるパートナーとして、ぜひビーツにご相談ください。

Z世代向けの空間デザイン&プロモーションならビーツにおまかせ!

本記事でご紹介した通り、ビーツはZ世代に人気の韓国ブランドのポップアップストアを多数手がけています。
ブランドの世界観をしっかり活かしつつ、シンプルでおしゃれなデザインやSNS映えするユニークなオブジェなど、Z世代が「かわいい!」と感じるポイントを大切にした空間づくりをサポートしてきました。
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