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「シール帳」が再ブーム!広がる平成女児カルチャーの令和ヒット

「シール帳」再ブーム

平成女児には懐かしい、あの「シール帳」が、いま再び注目を集めています。
お気に入りのシールを集めて貼る/交換する——かつて平成の女の子たちが夢中になったあの遊びが、SNS時代の今、あらためて広がりを見せています。

背景には、平成レトロブームやノスタルジー消費の高まりに加えて、SNSで「見せる・共有する」楽しみが重なった体験価値の変化があります。
スマホ中心の時代だからこそ、「貼る」「並べる」といったアナログな手触りが、自己表現や癒しの手段として再び注目されています。


「平成女児」カルチャーを掘り下げた前回の記事でも触れたように、当時の感性は今も形を変えて受け継がれています。今回の「シール帳」ブームも、その延長線上にある現象のひとつ!

この記事では、「シール帳」ブームの広がりをマーケティングの視点から読み解きながら、企業がどのようにプロモーションに取り入れているかを紹介します。

目次

なぜ今、「シール帳」なのか?

「シール帳」は、単なる懐かしアイテムではなくなっています。
平成女児世代のノスタルジーに火がつき、Z世代、さらに小学生世代(α世代)へと広がりながら、
いまは「世代をまたいで共有される遊び」へと変わりつつあります。

特に象徴的なのが、SNSでの広がりです。

Instagramでは「#シール帳」の投稿数が3.6万件を超えるなど、
SNS上でも盛り上がりが見られます。
※2025年11月末時点・Instagramハッシュタグ検索より

さらにThreadsでは、「#主婦のシール帳」というタグが広がり、
食品のパッケージやおまけシールなど、日常の中で集めたシールをまとめる投稿がバズを生みました。
かつては子どもだけの遊びだったものが、大人の趣味やライフログの一部にもなってきています。

この動きが面白いのは、「見るだけ」で終わらず、リアルな行動につながっている点です。

・子ども同士でのシール交換
・親子で一緒にシール帳をつくる
・100円ショップでのシール探し

SNSはきっかけで、「シール帳」は実際の「行動」として生活の中に浸透してきています。
いまのシール帳ブームは、「懐かしい」だけではなく、「ちょうどいいアナログ体験」として再発見されている現象と言えそうです。

シール帳は、平成の「遊び」から、令和の「表現」へ

平成の頃のシール帳は、友達と交換したり、コレクションしたりする「遊び」の側面が強いものでした。

一方、いまのシール帳は少し立ち位置が違います。
ただ集めるのではなく、自分の世界観をつくるものになっています。

たとえば、
「色味をそろえる、キャラクターの雰囲気を統一する、テーマを決めてページごとに整理する。」
誰かに見せる前提というよりも、「自分のために編集する」という感覚に近いかもしれません。

交換や共有はあくまでその先にあって、まずは、シール帳づくりは自分の感性を形にする時間。
その「つくる過程」自体が楽しさとして消費されています。
平成の「ごっこ遊び」に近いシール帳から、令和の「好きを形にする時間」へ。
そこが、今のシール帳ブームを読み解くひとつの視点かもしれません。

シール帳の子供への広がりは親世代=平成女児が火種に

さらに面白いのは、子育て世代の中に、「平成女児」世代が徐々に増えてきている点です。「自分もシール帳やってたな」と懐かしく思いながら、

子どもにシールを買ってあげる。
一緒に選ぶ。
一緒に貼る。

シール帳が、親子で過ごす時間のひとつになり始めています。
この流れは、小学生だけに限りません。
最近では未就学児のあいだでも、親と一緒にシールを貼ったり、ノートに並べたりする姿がよく見られるようになっています。
シール絵本やシールドリルで「貼る」ことに慣れた子どもたちが、
その延長でシール帳へと自然につながっているケースも少なくありません。

子どもにとっては新しい遊び。
親にとっては懐かしい体験。

この「世代をまたぐ体験」が重なっていることが、
シール帳ブームの広がりを、さらに後押ししているようにも見えてきます。

企業の「シール帳」活用プロモーション

シール帳ブームは、個人の遊びにとどまらず、企業側の施策にも少しずつ反映され始めています。

事例1

森永製菓株式会社「サンエックスユニバース」コラボ「シール帳」風広告

「サンエックスユニバース」コラボレーション第二弾として、2025年10月から開始された本企画では、平成の子どもたちに親しまれた「シール帳」をモチーフにした広告を展開。「リラックマ」「すみっコぐらし」「たれぱんだ」などの人気キャラクターがシールとなってオリジナルのシール帳に集結したグラフィック広告が東京駅「ヤエチカ(八重洲地下街)」デジタルサイネージや、名古屋駅・JR大阪駅の巨大ボードに登場しました。

事例2

株式会社小学館「ちゃお」12月号182枚のシールを付録に

小学生世代へのシール帳ブームの広がりを受け、「ちゃお」12月号では、182枚のシールが付録として登場。ちゃおの人気キャラクターはもちろんのこと、平成女児もときめく懐かしのキャラクターや、今SNSで人気のVTuberシールや大人気アイドルシールなどシール交換が楽しくなるラインナップで話題になりました。

「ボンボンドロップシール」が話題

「シール帳」と並んで、いま注目が集まっているのがボンボンドロップシール水入りシールといった、ぷっくり系の特殊シールです。

ぷっくりとした立体感、つやっとした表面、指で押したときの独特の感触。
さらに中に液体やラメが入った水入りシールは、傾けるたびに見え方が変わるのも特徴です。

平成の文具売り場ではおなじみだったこれらのシールですが、手で触れる質感や素材としてのかわいさがあらためて評価され、店頭やオンラインでは売り切れが続出するケースも出てきています。

シール帳づくりの投稿では、
こうした立体・特殊系シールが多く取り上げられており、支持を集めています。

「シール帳」文化を販促にどう活かすか?

◆アイデア1:集めたくなる「シール特典」

購入・来店をきっかけに人気キャラクターとのコラボやオリジナルシールを配布する施策を展開。
シリーズ化や店舗限定デザインにすることで、再来店の動機にもつながります。

◆アイデア2:ノベルティに今こそ「シール」

シール帳ブームやボンボンドロップシールブームの今こそノベルティにも「シール」がトレンドアイテムとしてマッチ。特に立体・特殊素材のシールは、触りたくなる質感が紙のものよりも体験として記憶に残りやすくなります。

◆アイデア3:グラフィックに「シールっぽさ」を活用

POPやポスター、サイネージのデザインなどに、白フチ・角丸・重ね貼り風レイアウトなど、シール特有の見せ方を取り入れることもトレンド感を活かした表現としてターゲット層に受け入れられます。平面でも「シール感」を表現でき、親しみやすさを出しやすくなります。

このように、「シール帳」ブームを販促アイデアのヒントにしてみるのも面白そうです。

まとめ:広がる「シール帳」ブーム

平成女児の遊びとして親しまれてきた「シール帳」は、懐かしさだけで語れる存在ではなく、いまの感覚やライフスタイルとも自然につながり始めています。

集める、貼る、並べる。
誰かに見せるためだけではなく、自分のペースで楽しめること。
その自由さが、いまの空気とも心地よく重なっているように見えます。

平成女児カルチャーや平成レトロ消費の一端として、この流れを少し引いて眺めてみると、売り場づくりやプロモーションの発想にも新しい視点が見えてきそうです。

トレンドを踏まえたプロモーションはビーツにおまかせ

「シール帳」ブームは、子どもたちの遊び、大人の懐かしさ、親子のコミュニケーションなど、
いくつもの文脈が重なり合いながら広がっている動きです。

こうした現象では、ターゲットの年齢や属性だけで区切るのではなく、「どのような体験が、どのような形で楽しまれているのか」という視点でとらえることが、プロモーションづくりのヒントになります。

ビーツでは、こうしたカルチャーの変化を読み解きながら、売り場づくりや体験設計、プロモーションの企画を支援しています。

「シール帳」ブームも、そのひとつのヒントとして、お客さまのブランド・商品に合ったかたちで活かすお手伝いができればと考えています。

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▼「平成女児」について詳しくはこちらの記事をご覧ください!

「平成女児とは?Z世代が夢中になるレトロかわいい世界観」

▼「平成レトロ」についてはこちらの記事で解説しています!

「平成レトロがZ世代にウケるワケ~エモかわ体験をプロモーションに活かすヒント」

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